<<静脈瘤(下肢静脈瘤)>>の手術について知っておきたいこと

下肢静脈瘤の代表的な症状で、下肢にみられる不規則に蛇行した表在性の拡張した静脈、長時間の起立により生じる下肢の不快感、疼痛などがあります。
静脈瘤の原因は次の二つに大別されます。一つは先天的に皮膚の表面を走行する静脈の壁が脆弱な場合に、長時間の立ち仕事をし続けると静脈が拡張します。静脈には、血液が逆流しないように弁がついていますが、静脈が拡張した結果、弁不全をきたし、さらに弁不全は静脈拡張を増悪させます。その結果、静脈は肥圧、拡大し、血栓を形成するとますます血液は停滞し、瘤を形成します。
もう一つの原因は、血栓性静脈炎や腫瘍などによる深部静脈系の弁障害や閉塞が原因となる二次性静脈瘤です。発生頻度としては前者が多く、二次性静脈瘤はまれです。
この病気は進行性ですから、完全に完治することは難しい場合もあります。しかし治療によって少なくとも進行をくい止めたり、症状を取り除くことは可能です。
外科的療法で下肢の表面を走行する大小二本の伏在静脈を抜き取るストリッピング法が、高齢者や軽症例を除いて原則的に行われます。
次いで、静脈瘤の部分を切開、切除しますが、同時に深部静脈との交通枝を確実に結紮することが大切です。手術の部位は大腿部の中枢から足尖まで広範囲にわたりますが、切開創は2~5センチの長さで数ヶ所を切開するのみですから、手術後は約一週間で退院できます。麻酔は腰椎麻酔、硬膜外麻酔などの下半身のみの麻酔で十分で、全身麻酔の必要はありません。
患者の大部分は、下肢の疲労感、熱感、疼痛を伴う血管の異常に気付いて来院します。症状は急激に悪化する場合は少なく、数カ月から数年にわたって長期間の慢性経過をとります。したがって、応急処置などの緊急を要することは少なく、むしろ、長期的な観点から治療方針を決めるべきです。
自分でできる処置としては、できるだけ立ち仕事を続けることは避けて、できる限り下肢を高くした座位を心がけると、症状は軽快します。
軽度から中等度の静脈瘤は、弾性ストッキングの着用、内服薬などで軽快しますが、完全に治療することは期待できません。重症例、とくに色素沈着がひどく、湿疹様皮膚炎、下腿潰瘍などを形成している場合は、外科的手術が必要です。ただし、手術を行っても別の静脈瘤が発生したり、皮膚の組織変化を完全に治療させることが難しく、再発を繰り返す場合もあります。
おこりやすい合併症は下肢の色素沈着、潰瘍形成、発赤、疼痛などの局所の炎症があります。